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- 院長の想い
お子さん自身が病気を理解し、治療に前向きになれるよう尽力いたします
当クリニックでは、ご家族だけでなく、お子さんご自身に説明することも大切だと考えています。例えば、検査で鼻に綿棒を入れる際には、「深呼吸すると鼻の中が広がるから少し楽になるよ」とアドバイスしますし、ぜんそくの子には胸の音を聴診器で聞かせてあげて、「こういう音がするときは注意しようね」と、優しく、印象に残るような話し方を心がけています。
また、治療方針としては、例えば、せきが長引く場合、風邪だけでなく、副鼻腔(びくう)炎などさまざまな病気の可能性があるので注意が必要です。そのため、症状を丁寧に見きわめていきます。その上で、治療はできるだけ短い期間で済ませる方針です。ぜんそくなどの慢性疾患の場合でも、段階的に治療内容を変更しつつ、できるだけお子さんの負担が軽くなるように努めています。
幼い命と向き合ってきた経験を胸に、心の通い合った診療を目指します
私は、「日本がん治療認定医機構認定 がん治療認定医」であり、小児腫瘍の治療に携わっていた時期があります。特に、治療が難しく長期にわたる白血病のお子さんを診る機会が多く、さまざまな形でご家族との絆や、命の大切さを痛感しました。
中学生の男の子を診ていたときの話ですが、彼は治療のつらい副作用に耐えながらも、将来の夢を叶えるため、勉強にも励んでいました。その後、治療もうまくいき、進学した高校の卒業式でスピーチを行った際の映像をお母さんに見せていただいたのですが、今、生きていることのすばらしさを切々と語る姿に、思わず涙がこぼれてしまいました。
また、あるお子さんは、残念ながら救うことができなかったのですが、苦しむお子さんの様子を毎日見ていて、ご家族とふれ合う時間がとれないままになるのは何とか避けたいと思い、少しの時間でも自宅に帰してあげるようにしていました。後に、ご家族が「先生の顔を見ると、子どもがまだ生きているような気がします」といって私に会いに来てくれた際には、複雑ながらも、医師の務めは治療だけではないことを考えさせられました。今後も命の尊さを心に刻み、家族との絆を大切に診療していこうと、改めて心に誓いました。
聞きたいことは何でもお気兼ねなく。そこからが診療だと思っています
「気のせいかもしれないし、こんなささいなことを聞いてもいいのかな」「待っている患者さんもたくさんいるし」などと気をつかって、聞きたいことを聞けないようでは、だれも幸せにはなれないと思っています。そのため、私は何でも話せる医師でありたいと思っています。
急な症状でお子さんを連れて来られた場合でも、普段から気になっていることがあれば、その機会に何でもお気軽にお話しください。また内装や間取りも、来院されたお子さんやお母さんに、少しでもリラックスしていただけるように工夫しています。
お母さんの不安がお子さんの健康に影響することもあります。どうか1人で抱え込まず、いつでもご相談いただければ幸いです。身近な健康相談役として、ご家族みんなの笑顔のために、微力ながらお力添えできればと願っています。